墓じまい書類で2回返送された人の実体験｜印鑑ミスで1ヶ月延期

導入：「簡単」と思って始めた書類申請の罠

男性50代・地方にあった実家のお墓を処理

「正直、一番手こずったのは役所との書類のやり取りでした。遠方だったので郵送にしたのですが、寺の住職の印鑑が少しかすれていたようで、差し戻しになってしまいまして…。住職が常に寺にいらっしゃるわけではないため、押し直しだけで思った以上に日数がかかりました。」

ネットで「改葬許可申請は簡単」という情報を見て安心していたのに、実際は2回の返送で1ヶ月以上の延期になった実例です。

墓じまい経験者10人のうち5人が書類の返送を経験。その全員が「想像以上に面倒だった」と証言しています。

実際の失敗談：2回返送→1ヶ月延期の詳細

1回目の返送：印鑑のかすれ

男性50代の体験談

「住職の印鑑が少しかすれていたようで、差し戻しになってしまいまして…。住職が常に寺にいらっしゃるわけではないため、押し直しだけで思った以上に日数がかかりました。」

失敗の経緯：
– 申請書郵送：月曜日
– 役所の確認：金曜日（4日後）
– 返送通知：翌週火曜日（8日後）
– 通知受領：翌週木曜日（10日後）

住職との再調整：
– 住職への連絡：翌週金曜日
– 在寺確認：翌々週の火曜日（6日後）
– 押し直し実施：翌々週の水曜日（7日後）

2回目の返送：コピー・原本の間違い

同じく男性50代の続き

「『受入証明書は原本で』と言われ、コピーを送ってしまったせいで再提出になったのも痛かったです。」

2回目の失敗経緯：
– 再申請書郵送：前回から2週間後
– 再度の返送通知：その1週間後
– 原本を改めて入手：さらに1週間後

結果：
最初の申請から1ヶ月と1週間後にようやく許可証取得

失敗の連鎖：住職不在→日程調整困難

なぜこれほど時間がかかったのか

住職の事情：
– 平日は本職（学校教師）のため不在
– 土日も法事等で多忙
– 連絡がつくのは平日夜のみ

郵送申請の落とし穴：
– 不備の確認に最低4〜5日
– 返送の往復でさらに4〜5日
– 1つのミスで最低1〜2週間のロス

書類再準備の困難：
– 受入証明書の原本は霊園に1週間前予約が必要
– 住職の印鑑証明も市役所で取り直し
– すべて平日対応のため仕事との調整が困難

他の失敗事例：同じパターンで躓く人続出

事例2：男性40代・印鑑位置のずれで差し戻し

男性40代の証言

「印鑑の位置が少しずれていると言われて差し戻され、また寺まで書き直しをお願いしに行くことになりました。郵送でのやり取りが中心になり、確認に時間がかかったのも正直ストレスでした。」

失敗パターン：
– 書類の押印位置を住職に説明しきれず
– わずか数ミリのずれで受理されず
– 地方の寺院のため再訪問に往復4時間

事例3：女性50代・記入漏れで往復2回

女性50代の体験談

「役所が遠方だったため郵送でやり取りしたのですが、記入漏れがあったようで2回も返送されてしまいました。また、申請書に墓の管理者である住職の押印が必要だと知らず、一度書類を寺に送り直す必要がありました。」

記入漏れの内容：
– 改葬先住所の番地記入漏れ
– 遺骨の数（体数）の記入なし
– 申請者の連絡先（携帯番号）未記入

共通する失敗パターン

同じ失敗をしないための具体的対策

対策1：事前の入念な確認体制

申請前チェックリスト：
– [ ] 役所に電話で必要書類を再確認
– [ ] 印鑑の種類（実印・認印）を明確化
– [ ] コピー可能書類と原本必須書類の仕分け
– [ ] 記入例を役所でもらって照合
– [ ] 住職の在寺スケジュールを1週間前に確認

書類作成時の注意：
– [ ] 印鑑位置を定規で測定
– [ ] 濃いインクの印鑑を使用
– [ ] 試し押しを住職の前で実施
– [ ] 記入後、住職と一緒に全項目を再確認

対策2：住職との効果的な連携方法

事前相談のコツ：

「改葬許可申請書の○○欄に実印での押印をお願いします。
位置はここ（実際に指差し）で、かすれないよう濃く押印していただけますか？
もし不備で返送された場合、再度お時間をいただくことは可能でしょうか？」

住職への具体的な説明内容：
– 印鑑の正確な位置（mm単位で説明）
– 押印の強さ（「しっかりと濃く」を強調）
– 印鑑証明書が必要な場合はその旨も明確化
– 万が一の再依頼の可能性について事前相談

対策3：郵送申請で失敗しない方法

郵送前の最終確認：
– [ ] 書類をコピーして手元に保管
– [ ] 原本・コピーを色分けして確認
– [ ] 返信用封筒に十分な切手を貼付
– [ ] 申請者の連絡先を複数記載

郵送時の工夫：
– 書留郵便で送付履歴を確認可能に
– 役所に到着予定日を電話で伝達
– 不備があった場合の連絡方法を明記

専門家に依頼すべき判断基準

自分で申請すべき人

条件：
– [ ] 墓地と現住所が同一都道府県内
– [ ] 平日に役所へ行ける時間的余裕
– [ ] 住職との連絡調整が容易
– [ ] 書類作成に不安がない

専門家依頼を検討すべき人

条件：
– [ ] 墓地が遠方にある
– [ ] 平日の役所対応が困難
– [ ] 住職との連絡が取りにくい
– [ ] 書類申請の経験がない
– [ ] 仕事を休めない状況

専門家依頼のメリット・デメリット

メリット：
– 確実な書類作成と申請
– 住職との連携も代行
– 時間的コストの大幅削減
– 万が一の不備にも即座に対応

デメリット：
– 行政書士費用5〜10万円
– 自分で状況把握できない部分がある

判断の目安

費用対効果の計算例：

自分で申請し失敗した場合の時間コスト：
- 申請やり直し：平日2日（有給使用）
- 住職との再調整：平日半日×2回
- 移動・郵送費用：交通費＋郵送料
- 精神的ストレス：プライスレス

行政書士依頼の場合：
- 費用：5〜10万円
- 時間：初回相談の1〜2時間のみ
- 成功率：ほぼ100％

まとめ：書類申請で時間をロスしないために

墓じまいの書類申請は「簡単」ではありません。経験者の半数が返送を経験し、平均で2〜4週間の予想外の延期を経験しています。

失敗を避ける3つの対策：

1. 事前確認を徹底する
   役所・住職・家族の三者で詳細確認

2. 住職との密な連携
   書類作成時の立ち会いと事前説明

3. 専門家活用の検討
   時間コストと費用を天秤にかけて判断

最も重要なポイント：
石材店の中には書類代行サービスも行っている業者があります。墓じまいの一括見積もりを取る際に、「書類サポートの有無」も確認基準に入れることをお勧めします。

5人の失敗経験者全員が「最初から石材店の書類サポートを利用すればよかった」と振り返っています。